インプラントについて
当院のインプラント治療について

ハイレベルの診断機器・治療機器によるインプラント治療
当院では、精密な医療機器を導入し痛みを最大限に抑えた治療を行っています。日本口腔外科学会所属の医師がインプラント手術を担当します。
インプラント治療のメリット
- よく噛め、味わえる。認知症予防にも 自分の歯に近い感覚でしっかり噛むことができ、食べ物をおいしく味わえます。またスムーズな咀嚼運動によって脳が活性化され、認知症予防にもなります。
- 残った歯を守る 隣の歯を削って支台としたり支えとする必要がなく、インプラント自体がしっかりと噛む力に耐えることができるので残っている周りの歯を守ることができます。
- 笑顔に自信が持てる 入れ歯のように外れる心配がなく、金属の装置が見えるようなこともないため天然の歯と同じような見た目で自信を持って笑うことができます。
インプラント治療のデメリット
- 保険適応外 インプラントは保険適応外のため保険診療と比べると治療費が高くなります。インプラントの治療内容によって費用は変わってきますのでご自身の場合の費用を確認して治療を進めることが大切です。
- 手術が必要 インプラントは入れ歯やブリッジと違い、骨の中にインプラントを埋め込む手術が必要になります。手術の程度によって術後の腫れの程度も変わってきます。
- 治療期間が長め インプラントの手術をしてから骨とインプラントが結合するのを待つ期間が必要になります。骨の状態によって待つ期間は異なりますが、入れ歯やブリッジより治療期間は長くなります。
当院のインプラント治療の強み

口腔外科や精密治療などの難易度の高い治療を得意としているため骨が少ない症例や全身疾患等で他院で断られたような症例でも対応が可能です。骨が足りない場合には骨を増やしたり、インプラントの精密な位置ぎめが必要な場合にはナビゲーションシステムを用いた精密な手術をしたり、前歯の場合には審美的な仕上がりになるようなインプラント治療をします。
また歯科全般の治療が可能なため他の歯の治療も含めた総合的な歯科治療をすることができます。
当院で扱うインプラントメーカー
インプラントは長く体の中に残るものですので最も信頼できるものという基準で当院では世界シェアNo.1のストローマン社製のインプラントを使用しております。

ストローマン社の強み
ストローマン社製のインプラントは骨との結合が早く、強固でインプラント周囲炎になってしまった場合にもリカバリーがしやすいという特徴があります。
また世界中で広く使われているため豊富なデータに裏付けされた信頼と実績があります。
骨が足りない場合に
行う手術
GBRについて

GBRの特徴
インプラントを骨に埋入するための十分な骨量がない場合に行う骨造成術のひとつで骨の幅や高さが足りない時に行います。前もってGBRを行ってから別日にインプラント埋入する方法とGBRとインプラント埋入を同時に行う方法があります。骨欠損が大きくなく、インプラントの初期固定も出来そうな症例では同時に行います。
GBRのメリット・デメリット
メリット
- 骨欠損のせいでインプラント埋入が困難なケースでもインプラント埋入が可能
- より機能的・審美的なインプラント治療が可能になる
デメリット
- 感染のリスクがある
- 術後の腫れやあざがでやすくなる
- 手術手技が難しくなる
サイナスリフトについて
サイナスリフトの特徴
上顎の奥歯にインプラントをする際に骨が垂直的に足りない場合に行う骨造成の方法です。骨の垂直的な厚みが非常に薄い場合でも適応可能な方法で、骨造成量の自由度が高く、しっかりとした骨を作ることができます。症例にもよりますが垂直的な骨の高さが5mm以下の時に適応となります。
適応症例
上顎臼歯部のインプラント予定部位で垂直的な骨の厚みが5mm以下の症例。上顎洞炎がある場合には先にその治療が必要になる。
サイナスリフトのメリット・デメリット
メリット
- インプラント予定部位の骨欠損が大きくても予知性の高いしっかりとした骨を作ることができる。
デメリット
- 上顎洞の知識とそのための技術が必要な手術のため難易度が高く、術後の腫れとアザが出やすい。
- 感染のリスクがあり、感染の程度によっては造成した骨を全て除去しなければならない。
サイナスリフトの治療例
術前
術前のCT画像です。顎を前方から見た断面になります。
黄色丸の中が、インプラント治療予定の右上奥歯相当部で骨の高さが足りない部分です。黒く抜けている部分が副鼻腔の一つの上顎洞と言われる部分で、上顎洞が下方に張り出しているためにインプラントを埋入するのに十分な骨がない状態です。
この上顎洞の部分に骨を作ることでインプラント治療を可能にする骨造成の方法がサイナスリフトです。

術後
サイナスリフト手術後のCT画像です。黄色丸の中を見て頂くと、術前と比較して白いX線不透過像の部分が増えているのが分かります。術前と比べて、増えた白いX線不透過像の部分がサイナスリフトで造成した部分で、将来自分の骨に置き換わってインプラントを埋入する部分です。
手術時にインプラントの固定が得られそうかどうかでサイナスリフトとインプラント埋入を同時に行うか、サイナスリフトをして、しばらく待ってからインプラント埋入を行うかを判断します。

インプラントの初期の固定が得られそうかは骨の量・質・形態によります。
サイナスリフトをしてしばらく待ってからインプラントをする場合にはその時の骨の条件によって半年から1年くらい待ってからインプラントをすることになります。
埋入後
サイナスリフトをした部位にインプラントが埋入された状態の画像です。
術前と比較するとインプラントを埋入するのに十分な量の骨があるのが分かります。
このようにして上顎の奥歯でインプラントを埋入するための骨の高さが足りない部分の骨を増やします。

ソケットリフトについて
ソケットリフトの特徴
上顎臼歯部の垂直的な骨の高さが不足している時に用いられる骨造成法で、インプラントを埋入する穴から上顎洞粘膜を持ち上げて上顎洞内の骨造成を行う方法です。
適応症例
上顎洞内の骨造成量が比較的少ない時に行います。
サイナスリフトと比べて良い点
上顎洞内に増やせる骨の量はサイナスリフトより少ないですが、手術の侵襲もより少ないので術後の痛みや腫れも少なくて済みます。
術式がサイナスリフトよりシンプルなので、手術時間も少なくて済むことが多いです。
治療期間・通院頻度など
骨造成の必要ないケースであれば、術後1ヶ月半から上部構造の補綴処置を始められることが多いです。
ソケットリフトを行なった場合には骨造成量にもよりますが、上部構造の補綴処置開始までに3ヶ月〜半年くらい待つことがあります。
骨とインプラントがくっつくのを待っている間は、特にやることはないのでソケットリフトをしたからといって通院回数が増えることはありません。
シュミレーションシステム
ガイデッドサージェリーについて

ガイデッドサージェリーとは
正確なシュミレーションを行うことができ、術前にインプラント埋入位置を決定できるシステムです。
術前に撮影したCT画像でインプラントのシミュレーションを行います。このケースの場合、上顎の骨が足りないためシミュレーションのインプラントが上顎洞(副鼻腔の1つ)に突き出おり、サイナスリフトが必要になりますが、このシステムとCT画像での綿密なシュミレーションにより、サイナスリフトの必要性を正確に判断することができます。
適応症例
- ほとんどのインプラント埋入症例
- インプラント埋入の位置決めが難しい症例で行うことができます。
ガイデッドサージェリーの
メリット・デメリット
メリット
- メンテナンスがしやくすなる
- 審美的な歯が作りやすい
- 機能的な歯が作りやすい
デメリット
- 準備のための時間を要する
- 手術が若干煩雑になる
- 費用がかかる
インプラントの
失敗について

早期型・遅延型 それぞれの特徴
インプラントの早期並びに遅延型の失敗は比較的稀になってきています。
その中での比率は、部分欠損患者が無歯顎患者のおよそ半分の失敗率で上顎インプラントは下顎インプラントのおよそ3倍の失敗率となっています。
インプラントの失敗には早期のものと遅延型のものでそれぞれ特徴があります。
早期インプラント喪失においては、治癒能力低下状態での過度の外科的外傷、早すぎる加重および感染が最も一般的な原因である可能性が高くなっています。
遅延型インプラント喪失においては、インプラント周囲炎と過加重が主な原因として考えられます。さらに、インプラントの表面性状が失敗パターンに影響を及ぼすと考えられています。
参考文献
Esposito M, Hirsh JM, Lekholm U, Thomsen P. Biological factors contributing to failures of osseointegrated oral implants. (Ⅱ). Etio-pathogenesis. Eur J Oral Sci 1998 ; 106(3) : 721-764.
Esposito M, Hirsh JM, Lekholm U, Thomsen P. Biological factors contributing to failures of osseointegrated oral implants. (Ⅰ). Success criteria and epidemiology. Eur J Oral Sci 1998 ; 106(1) : 527-551.
インプラント周囲疾患
について

インプラント周囲疾患について
インプラント治療は、近年技術と材料の改良により長く使えることが多くなってきましたが、いまだに一定の割合でインプラント周囲疾患は発生してしまいます。
インプラント周囲疾患の一般的なものにインプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎があり、頻度はインプラント周囲粘膜炎の方が多いです。
インプラント周囲粘膜炎は炎症がインプラント周囲の軟組織に限局したもので、インプラント周囲炎はインプラント支持骨にまで病変が広がったものになります。
これがひどくなるとインプラント周囲の組織が喪失し最終的にはインプラントが脱落します。
インプラント周囲疾患のリスク要因としては不良な口腔衛生、歯周病の既往、糖尿病、喫煙などがあります。
いずれも治療には抗感染処置が必要になり、インプラント周囲粘膜炎に関しては非外科的治療によって炎症を減少させることが可能ですが、インプラント周囲炎に関しては外科的治療が必要になってくることがあります。
インプラント周囲疾患は、歯周病の様に強い自覚症状がなく進んでしまうことがあるので、定期的なメンテナンスで早期に発見して対策をすることが大事です。
参考文献
Lindhe J, Meyle J; Group D of European Workshop on Periodontology. Peri-implant diseases: Consensus Report of the Sixth European Workshop on Periodontology. J Clin Periodontal 2008 ; 35(8 Suppl) : 282-285.
Zitzmann NU, Berglundh T. Definition and prevalance of peri-implant diseases. J Clin Periodontal 2008 ; 35(8 Suppl) : 286-291
インプラントの除去、
再埋入について

インプラントの除去・再埋入をする場合
重度のインプラント周囲炎になってしまった場合や上顎洞内にインプラントが落ち込んでしまった場合などには除去の対象となります。インプラントを除去した後は、傷が治るのを待ってからインプラントの再埋入を行いますが、インプラント除去を行なった後は骨の欠損が大きく、骨造成を併用するケースが多いです。
治療の流れ
-
基本検査・カウンセリング
患者様のご要望をお聞きした上で、患者様一人ひとりに最適な治療方法をご提案させていただきます。
-
精密検査
CTスキャンによる精密な検査を行い、患者様のお口の状態を正確に把握致します。
-
治療計画
基本検診の結果やレントゲン写真、CT画像により、どの部分にどのようなインプラントが何本必要なのかを診断し、治療の計画を立てます。
-
手術
しっかりと麻酔を効かせて手術に取り掛かります。まず、治療部位の歯肉を切開して、歯槽骨を露出させます。専用のドリルを使用して、その骨に的確な角度で孔をあけ、インプラントを埋入し、カバーを装着します。
最後に歯肉を縫い合わせて、一次オペは終了となります。 -
人工歯の装着
インプラントと骨がしっかりと結合した後に、人工歯(被せ物)を装着します。
場合によっては人工歯装着の前に、仮歯を装着して見た目や使用感を確認し、問題なければ最終的な人工歯(被せ物)を装着します。また、装着時に嚙み合わせの調整を行います。 -
メインテナンス
インプラント治療が終了した後は、インプラントを長持ちさせるために適切なホームケアと定期的な検診が必要となります。
参考文献 一覧
Esposito M, Hirsh JM, Lekholm U, Thomsen P. Biological factors contributing to failures of osseointegrated oral implants. (Ⅱ). Etio-pathogenesis. Eur J Oral Sci 1998 ; 106(3) : 721-764.
Esposito M, Hirsh JM, Lekholm U, Thomsen P. Biological factors contributing to failures of osseointegrated oral implants. (Ⅰ). Success criteria and epidemiology. Eur J Oral Sci 1998 ; 106(1) : 527-551.
Lindhe J, Meyle J; Group D of European Workshop on Periodontology. Peri-implant diseases: Consensus Report of the Sixth European Workshop on Periodontology. J Clin Periodontal 2008 ; 35(8 Suppl) : 282-285.
Zitzmann NU, Berglundh T. Definition and prevalance of peri-implant diseases. J Clin Periodontal 2008 ; 35(8 Suppl) : 286-291